若手が育たない。人材不足だ。
せっかくの良い新入社員もすぐに辞めてしまう。
そんな、悩みを持たれている経営者、人事担当者の方も多いはず・・・。
ですが、果たしてその悩みは正しいのでしょか。
【ここで一つ質問です】
逆に『育った』というのはどのような状態でしょうか?
高い確率で『部下が育たない』という上司ほど『育った状態』を分からずに指導していることが多いのです。
育てたいなら、着地点を明確に示してあげましょう
基本的なことですが、育てるためには『育った状態を示してあげること』が最も重要だといえます。
若手や新入社員は業務に対して、毎日、なぜ?なぜ?なぜ?、の状態で作業を行なっていきます。その中で上司は、部下の『なぜ?』に対して目的と方向性を示し、合わせて『あなたの将来像』を描かせることを心掛けて指導していきましょう。
ただし、『育った状態=○○が出来る』という行動ではなく『育った状態=会社への影響』とし、そのための細かい行動や項目については本人の自発性を尊重しながら適した業務内容を与え成長に繋げていきます。
では、『あなたが育った状態=会社への影響』とは?
- 会社全体及び所属部署の生産性を上げるため
- 外部に影響されない強い組織を作るため
- 新しいことにチャレンジできる基盤を作るため
- なにより技術力やノウハウを絶やさないため
いくつか例を記載してみましたが、このような内容を明確にし部下に指導することが出来ていれば問題ありません。
くれぐれも『こうなってほしい・・・。』などの曖昧な指導ではなく、本人の成長、会社の成長、そして自分自身の成長のために全力で取り組む姿勢が大切です!!
プレーヤーと指導者は別物
こんなフレーズをよく耳にしませんか?
『あの人、選手としては優れていたけど指導者としては全くダメだよね。』
逆に、
『選手としては微妙だったけど、指導はピカイチだね!!』
あくまで例としての理由ですが、以下のような状態です。
選手として優れていた人は再現性・体現性が高く一度見た動作(業務)を簡単にこなしてしまうため指導者の立場になった際、教えても出来ない部下に対し『出来ない理由がわからず』で的確な指導を行えない。
逆に、選手としては微妙だった(苦労した)人は、自分がぶつかった壁や出来なかった理由を基に指導するため相手に伝わりやすく信頼を得るとともに成長への相乗効果にも繋がります。
大前提となりますが、個人には資質ややる気、得意、不得意といった部分がかならずあります。社会人になり配属された部門(業務)が本人にとって適正な場所になることはほとんどありません。
ですが、これは当然です。
そして、その場所で本人が成長し次の世代となり、また次世代へと継承し会社は存続(繁栄・衰退)していくことになります。
ここで重要になってくるのが
では、仕事を指導する人がやるべきことって?
わたしが、アドバイザーとして指導者に伝えていることは『たったの3つ』です。
指導するなら3ステップで
- 業務内容の説明と実行補助
↓ - その業務が果たす役割の説明
↓ - ゲーム感覚を持たせる(楽しませる)
業務を遂行するうえで、PDCAサイクルという言葉をよく耳にするかと思いますが、ここでの実行にあたる『Do』の中で『3ステップ』の小サイクル回していきます。
この小サイクルが早く回るほど、成長速度もグンっと早くなります。
これは、①をしながら②を『一緒に考える時間』を作るためです。
人間は、動作と思考を同時に行うことで成果が何倍にも上がると言われています。
スポーツ指導の中でよく使われるティーチング(teaching)やコーチング(coaching)といった言葉を、最近では社会人教育の場面でもよく耳にするようになりました。 ですが、それぞれの定義を正しく理解し活用できている教[…]
業務内容の説明と実行補助
まずは、業務内容の説明を行い実行補助をしていきます。
【大切なポイント】
①説明は、言葉(耳)と動作(目)で行う。
②どんなに簡単な作業も一回して見せる。
③なぜ、この作業をするのか一緒に考える。
ここでは『このくらいは出来るはず』という考え方は捨てて下さい。例え出来る内容であったとしても確実に伝えるようにします。
なぜ、そこまでする必要があるのか?
あなたの目の前にいる社員は、数年後には『先輩社員(指導者側)』となっています。
今、あなたが『これくらい出来るだろうと省いた内容』は数年後の指導でも省かれてしまいます。
人には個人差があるとお話したように、その時の新入社員には『省かれた内容の説明が必要だった』としたら・・・。
もし、無いようでした作成することをお勧めします。また、業務変更に応じての改訂はきちんとされているかなど確認も必要です。
手順書はあるけど、改定日が10年前なんて会社もあったり・・・。
手順書の作成は手間の掛かる作業ですが、企業が10年後も50年後も成長していくためには必要なことですから、未来はあなたの手にかかっていると言っても過言ではありません!!
その業務が果たす役割の説明
次に、その業務が果たす役割を伝えていきます。
【大切なポイント】
①部門内での役割から会社全体での役割まで伝える。
②必要性と重要性を明確に伝える。
③なぜ、あなたにお願いするのか説明を添える。
ここ意外と分岐点なので重要です!!
この作業は、誰がしてもいいんだけど昔から若手がするようになってるからごめんねー。
この作業は、会社にとって重要な項目になるから、将来この部門を引っ張って欲しい『あなた』にお願いしようと思う。
そんな言い方したら、若手のプレッシャーになりストレスの原因じゃないか?と考えますよね。
その通りで、相手によって伝え方を変えなければいけません。
ゲーム感覚を持たせる(楽しませる)
最後に、とにかく楽しむための思考を叩き込みます(笑)
【大切なポイント】
①小目標、中目標、最終目標を決める。
②成長した自身の姿を確認させる。
③周囲のメンバーと目標を共有する。
ここでは、周囲のメンバーも重要な役目を果たしますので全員参加で盛り上げることを意識しましょう!!
成長への流れはこんなイメージ
- 目標を達成することが『楽しい』
↓ - 達成した自身の成長に『楽しい』
↓ - 周囲のメンバーが喜んでくれて『楽しい』そして『嬉しい』
↓
また、次の目標に向けて頑張る!!
↓
①②③を繰り返しレベルUPしながら最終目標(ラスボス)まで到達する
↓ - ラスボスに挑む自分の成長を振り返り『達成感』と『充実感』を得る
↓
この頃には周囲との絆も深まり、一体感が生まれている
↓ - 最高の景色を見ることができる
人の成長には、楽しむことが最も大切です。
そして、ここが重要な部分ですが、
という美味を知ってもらう。
ここまで来たら、ぶっちゃけ勝手に育ちます。
わたしも、この美味を知ってから急成長したことを覚えています。
もっと、みんなを驚かせたい!喜んでもらいたいって!
でも、このタイミングこそ要注意なんですよねー。
まとめ
いかがでしたかー。
気が思いやられなー・・・。なんて考える必要はありありません。
新人教育、部下育成は指導する側も楽しまなければいけません。
成長には『楽しむこと』が重要だとお伝えしましたよね。
この言葉を考えてみて下さい。
部下育成って子育てみたいなもんです。
子供は親の言うことよりも、親の背中を見て育つものですよね(笑)